Company BlogBeAの日常やメンバーの思い
インバウンド消費を左右する「感情価値」とは?
2025.06.12| タグ: RED, SNS施策, UGCマーケティング, WeChat, プロモーション戦略, 中国インバウンド, 感情価値, 抖音, 観光マーケティング, 訪日中国人
中国からの訪日観光客におけるプロモーション戦略は、かつての「安さ・性能訴求」から、近年では「感情価値」を重視するトレンドへと変化しています。商品やサービスの物理的な機能以上に、体験・共感・ストーリーといった“情緒的価値”が、消費行動に強く影響を与えるようになっています。
本記事では、中国インバウンド市場で成功するための「感情価値」訴求型プロモーションの考え方と、その実践方法について解説します。
「感情価値」がインバウンド消費を変える理由
以下のような背景から、中国人観光客は「心を動かす体験」に対してお金を払う傾向を強めています。
- 消費の成熟:モノよりコトに価値を置く傾向が増加
- SNS文化の浸透:共感・シェアされやすい“物語”の需要
- ライフスタイル重視:旅先での「自分らしさ」の演出
つまり、価格や機能訴求だけでは競合との差別化が難しく、情緒的な魅力(驚き・癒し・共感)が消費行動のきっかけになります。
感情価値を訴求する3つの視点
では、どのように「感情価値」をプロモーションに組み込めばよいのでしょうか?以下の3つの視点から設計していくのが有効です。
1. 共感ストーリー:誰かの物語に自分を重ねる
「◯◯という理由で、この温泉地を選んだ中国人母娘のエピソード」のように、個人的な背景・ストーリーにフォーカスしたUGCやプロモーションは、他人の感情に訴える力があります。
2. 世界観体験:ビジュアル+空間演出で“没入”させる
店舗や観光地での映える空間デザイン、商品と連動した体験(例:着物レンタル+和菓子づくり体験)など、「写真に残したくなる世界観」をつくることが重要です。
3. 自己表現のサポート:自分の価値観をSNSで発信したくなる
訪日体験を通じて、「私はこういう旅をする人間だ」と自己表現できること。これは中国のZ世代に特に有効で、旅=自己ブランディングの一環と捉えられています。
中国SNSと感情価値の相性
以下は、主要な中国SNSと「感情価値」訴求の相性を整理した表です。
成功事例:奈良の小規模宿が“親子の物語”でバズった施策
ある奈良県の小規模旅館では、「3世代で泊まれる和室のある宿」をテーマに、中国人母娘による滞在記をREDで投稿。結果として:
- 保存数:1,200件超
- フォロワー増加:1ヶ月で約3,000人
- 予約率:中国語ページ経由で+40%
物理的な設備よりも、“心温まるストーリー”が集客に直結した好例です。
まとめ:感情を動かせば、行動が変わる
インバウンド戦略におけるプロモーションは、「誰に何を伝えるか」だけでなく、「どう感じさせるか」がカギになります。感情価値は数値化しにくいですが、共感・記憶・拡散を促すことで確実にKPIに貢献します。
今後は、感性マーケティングの視点を持ったプロモーション設計が、訪日中国人市場における差別化の武器になるでしょう。
インバウンド対策をお考えですか?
「インバウンド対策の基礎から知りたい」「自社で実施済みの施策の効果検証の仕方がわからないから教えてほしい」などのご相談もお気軽にどうぞ。