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【ニュース解説】訪日客で“街のごみ”問題が深刻化 ― マナー啓発はインバウンド戦略のカギ

2025.06.17| タグ: , , , , , , , , , ,


2025年4月の訪日外国人客数はついに390万人を突破。観光業界には追い風が吹いていますが、その陰で浮上しているのが「街のごみ問題」です。

「ごみ箱がない」「捨て方がわからない」といった声が訪日客から相次ぎ、ポイ捨てが目立つエリアも。こうした問題に対し、仮装してごみ拾いをする“ヒーロー”たちの活動が話題になっていますが、根本的な解決には至っていません。

インバウンドプロモーションを手がける企業の立場として、この課題をどう捉え、どのように対策していくべきかを解説します。

背景:ごみは増加、ごみ箱は不足 ― 文化と制度のギャップ

日本では、テロ対策や景観保持の観点から公共のごみ箱設置を控える自治体が多く、特に都市部ではごみ箱が「探しても見つからない」状態になっています。
一方、海外では「街中にごみ箱があるのが当たり前」。この制度の違いが文化のギャップを生み、結果として不本意なポイ捨てが起こっているケースも。

例えば新宿区では「ごみ箱がごみを呼ぶ」という懸念から設置を控えていますが、訪日客にとっては「なぜここに捨てられないの?」という戸惑いにつながっているのが実情です。

見解とアクションポイント:「マナー啓発もプロモーションの一環」

この問題は、「モラルがない訪日客」のせいではなく、ルールが伝わっていないことが根本原因です。言語の壁はもちろん、文化的前提が違うために「暗黙の了解」が通じません。

そこで私たちのようなインバウンドプロモーション事業者の役割が重要になります。

  • SNS・動画・インフルエンサーを通じたマナー啓発
  • インタラクティブなサイネージやAI案内でのごみ分別アシスト
  • 観光地でのピクトグラムや多言語表記の強化

これらは「情報発信=誘客」だけでなく、「文化発信=理解促進」という意味でも極めて戦略的な施策です。

解決の糸口:スマート技術と人の力の融合

京都市では、AI搭載のスマートごみ箱「SmaGo(スマゴ)」を導入し、街のごみ問題に対応。原宿〜表参道には34基が稼働しており、ごみを自動圧縮・密閉することで清潔さと収容力を両立しています。

また、大阪万博の取り組みのように「ごみ箱の前に必ずスタッフがいる」といった“人の力”によるマナー誘導も非常に有効です。

要点は、「ルールを作る」だけでなく、「理解してもらう」「説明する」というコミュニケーションの一押しです。

まとめ:プロモーションに「マナー啓発」要素を組み込め

今後、私たちプロモーション事業者が担うべきは、「来てもらう」プロモーションから、「楽しみ、また来たい」と思ってもらうための環境設計です。

そこで提言したいのは、以下の3点:

  1. インバウンド広告やSNS施策にマナー啓発コンテンツを内包
  2. 自治体・交通・小売と連携し、ごみ箱や案内のインフラを共創
  3. 訪日前・訪日中の多言語ナッジ施策を継続的に実装

日本が誇る「清潔で安心な街」を維持しながら、文化的ホスピタリティを体感してもらうには、マナーも含めた“体験のデザイン”が鍵となります。

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