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>中国ネット規制に対応した「Webサイト翻訳」戦略:簡体字化だけでは届かない理由とは?

2025.06.24| タグ: , , , , , , ,

日本企業や自治体が中国人観光客向けにインバウンドプロモーションを展開する際、「Webサイトの簡体字対応」を第一歩とするケースは非常に多く見られます。

しかし実は、「日本発のWebサイトをただ簡体字に翻訳するだけでは、中国のネットユーザーに届かない」という重大な課題が存在します。

なぜ簡体字化だけでは不十分なのか?

中国では、いわゆる「グレート・ファイアウォール(GFW)」と呼ばれる国家レベルのインターネット規制が存在し、以下のような制限がかかっています。

  • Google、YouTube、X(旧Twitter)、Facebookなどがアクセス不可
  • 日本のサーバーに設置されたWebサイトは、表示が極端に遅い or ブロックされることがある
  • 中国検索エンジン「百度(Baidu)」での検索において、日本語サイトは基本的に圏外

つまり、仮に簡体字に翻訳しても、そもそも中国本土のユーザーに「表示されない」もしくは「見つけられない」というリスクがあるのです。

中国本土に情報を届けるための4つの対策

  1. 中国国内から閲覧可能なホスティング先を選定
    中国企業と連携し、CDN(Content Delivery Network)などを利用してアクセス速度と安定性を確保。
  2. 中国検索エンジン「百度(Baidu)」への最適化
    titleタグ、meta description、hタグなどを百度向けにチューニングし、百度専用のSEOを行う。
  3. WeChatミニサイトやミニプログラムの併用
    中国での流入は「SNS内完結型」が主流。WeChatミニプログラムに対応した軽量版のWebを構築するのも有効。
  4. 翻訳は「意訳+文化翻訳」を前提に
    単なる機械翻訳ではなく、中国人が自然に感じる言い回しや価値観への調整が不可欠。

成功事例:観光地の多言語サイトを中国向けに最適化した結果

ある地方観光地では、当初日本語と英語を中心としたWebサイトに簡体字を追加したものの、百度からの流入はゼロ。しかし、現地パートナーと連携してWeChatミニサイトを構築し、RED(小紅書)投稿と連動したところ、検索経由の訪問が月間1,000件以上に増加しました。

まとめ:本当に「見られる」Webサイトをつくることが第一歩

中国向けインバウンド施策において、ただ翻訳するだけでは不十分です。大切なのは、その翻訳が中国本土で実際に届くか・見られるか。現地環境に合わせたホスティング、SEO、SNS連携までを含めた「翻訳戦略」が、インバウンド成功の鍵となります。

御社のWebサイトは、中国の旅行者に本当に届いていますか?今一度、足元から見直してみることをおすすめします。

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