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【ニュース解説】世界遺産・平等院、大型荷物の無償預かり廃止へ―文化とマナーの違いが生む課題と対応策

2025.06.27| タグ: , , , , , , , , , ,

■ ニュース概要

京都府宇治市の世界遺産・平等院が、約15年続けてきたスーツケースなど大型荷物の無償預かりサービスを2024年5月に廃止しました。
インバウンド観光客に好評のサービスでしたが、利用が急増し保管スペースが限界に。さらに「預けたまま他の観光地に行く」といったロッカー代わりの迷惑行為も多発し、苦渋の決断となりました。
現在は有料の大型ロッカーを設置していますが、混雑で空きが保証できない状況が続いています。

■ なぜこのニュースが重要か?

インバウンドの増加は地域経済に大きな恩恵をもたらす一方、観光地では「文化の違い」による問題が顕在化しています。
特に日本では「預かる=短時間利用」の意識が強いですが、海外では長時間保管や移動中の利便性を重視する人が多く、認識のズレがトラブルの温床になります。
今回の例は、マナー・ルールを十分に認知してもらえないことで、現場が過剰な負担を抱えた典型といえます。

■ 見解とアクションポイント

  • 京都市が推進する「手ぶら観光」のように、駅・宿泊施設・民間サービスを連携させた荷物預かりの選択肢を増やし、事前の情報提供を徹底することが不可欠です。
  • 訪日客の心理(紛失への不安、利便性の重視)に応えるため、「安心・安全」「多言語対応」「デジタル案内」の3つの柱を強化した啓発が重要です。
  • プロモーションの段階で、日本特有の施設利用ルールやマナーを動画・SNSで分かりやすく発信し、文化的な背景の違いを埋めるコミュニケーションが求められます。
  • 観光施設のブランド価値を守るため、ルールを明確にし「ルールを破る行為は困ること」「正しい利用が歓迎されること」をセットで伝える啓蒙が必要です。

■ まとめ

平等院の無償荷物預かり廃止は、インバウンド増加の裏で生じる運営負荷と文化の違いを象徴しています。
訪日外国人の利便性を高めるだけでなく、施設の維持や地域の負担軽減も両立するには、観光DXや多言語コミュニケーションを活用した啓発がますます重要です。
「おもてなし」と「適切なマナーの共有」は両立可能です。今後も、観光事業者と地域が一体となり持続可能な受け入れ体制を構築していくことが期待されます。

▶ニュースの詳細はこちら(Yahoo!ニュース)


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