Company BlogBeAの日常やメンバーの思い

HOME / ブログ / Company Blog / 【ニュース解説】北海道エアポート、設立以来初の営業黒字—インバウンド需要の回復が追い風に

【ニュース解説】北海道エアポート、設立以来初の営業黒字—インバウンド需要の回復が追い風に

2025.07.01| タグ: , , , , , , , , ,

■ ニュース概要

北海道内7空港を一括運営する「北海道エアポート」が、2024年度決算で営業利益が初めて黒字になったと発表しました。営業利益は27億4,200万円に達し、これは2019年の設立以降初めてのことです。
背景にはインバウンド(訪日外国人観光客)の増加があり、新千歳空港の旅客数は過去最多を記録。ターミナルビル内の物販や飲食の収益も大きく伸びました。一方で、最終的な純損益は57億7,300万円の赤字と、依然として収益基盤の課題は残ります。
また、国土交通省出身の山崎雅生氏が新社長に就任し、今後も積極的な路線誘致や収益力強化に注力する姿勢を示しています。


■ なぜこのニュースが重要か?

この動きは、インバウンド回復の波が地方空港の経営を大きく改善しつつあることを示しています。
特に北海道は、中国、韓国、台湾などアジア圏からの観光客に根強い人気があり、雪やグルメ、自然体験など「北海道ブランド」が強力な集客要因です。
コロナ禍で観光業が大打撃を受けたなか、国際線需要がいち早く回復したことは、地域経済にとっても重要な追い風です。

さらに、空港は地域観光のゲートウェイ。旅客数の増加は空港内の物販や飲食収益だけでなく、周辺ホテル、観光地、交通機関など波及効果が大きいのが特徴です。


■ 見解とアクションポイント

✦ 地方空港運営に求められる視点

今回の黒字化は一つの成果ですが、航空需要は世界情勢に左右されやすい不安定さがあります。
地域のインバウンド需要を長期的に安定させるためには、「消費体験の多様化」と「マナー・ルールの啓発」をセットで進める必要があります。

✦ マナー・ルールの啓発

北海道でも近年、観光客のマナー問題がしばしば話題になります。空港や観光案内所などのインフラに、わかりやすい多言語サインやマナー啓発動画を組み合わせる取り組みが重要です。

✦ 体験価値の提供

北海道は単なる移動拠点ではなく、空港自体が観光コンテンツです。
空港での特産品販売、地元の食文化体験、イベント開催など「空港で時間消費を楽しむ仕組み」をさらに強化すれば、収益の多角化につながります。

✦ デジタル活用

データに基づく動線分析やターゲティングを進め、より効果的に訪日客へプロモーションできるDX化が今後もカギを握ります。


■ まとめ

北海道エアポートの営業黒字化は、地方空港のインバウンド需要回復を象徴する好材料です。
しかし、長期的な安定には単なる観光誘致にとどまらず、マナー啓発や地域体験の多様化、DXを通じたきめ細かい運営が不可欠です。
インバウンド需要を追い風に、北海道の観光経済がさらなる成長を遂げることを期待したいと思います。

前へ
次へ